65歳から働く人が、知らずに損している3つの制度「65歳を過ぎても働く人」は、年々増えています。

生活のため、
社会とのつながりのため、
あるいは単純に――まだ動けるから。

理由は人それぞれですが、
65歳以降の働き方には、ひとつ大きな落とし穴があります。

それは、
制度を知らないまま働くと、何も悪いことをしていないのに損をする
という点です。

今回は、実務の現場で特に多い
「65歳から働く人が、知らずに損している3つの制度」
について整理します。


① 在職老齢年金 ―「働くと年金が減る」仕組み

まず、最も有名で、最も誤解されているのが
在職老齢年金です。

多くの人が、こう思っています。

働いたら、年金が止まる
だから、ほどほどにしておこう

これは半分正解で、半分誤解です。

在職老齢年金の基本構造

  • 年金と賃金の合計が一定額を超えると
  • 年金の一部が調整(減額)される

ここまでは事実です。

しかし重要なのは、

  • 全額が止まるわけではない
  • 超えた分が機械的に減るだけ

という点です。

にもかかわらず、

  • 働く時間を無理に減らす
  • 収入調整のために仕事を断る

という選択をしてしまう人が少なくありません。

結果として、
働いた分以上に収入を失うケースも珍しくないのです。


② 雇用保険 ―「65歳過ぎたら関係ない」と思っていませんか

次に多い誤解が、雇用保険です。

もう年金をもらっているし
雇用保険は関係ないでしょう

こう言われることが、本当に多い。

しかし、これははっきり言って
もったいない誤解です。

65歳以降でも雇用保険は使える

  • 65歳以降でも雇用保険の対象になるケースはある
  • 離職時に給付が出ることもある
  • 高年齢者向けの給付制度が存在する

しかも、
65歳以上は年金と併給できます。

それを知らないまま、

  • 離職時に何も請求しない
  • 会社任せで終わらせる

結果、
本来もらえたはずの給付を受け取らずに終わる
というケースが後を絶ちません。


③ 社会保険 ―「入らない方が得」とは限らない

最後が、最も判断が難しい
**社会保険(健康保険・厚生年金)**です。

65歳を過ぎると、

社会保険に入ると保険料が高い
国保の方が安いのでは?

と考える人が増えます。

確かに、
短期的に見れば、保険料負担が重く感じる場合もあります。

しかし、ここで注意すべきなのは、

  • 将来の年金額への影響
  • 傷病手当金などの保障
  • 家族の扶養関係

といったトータルの視点です。

「今月の手取り」だけを見て判断すると、
後から取り返しがつかない差が出ることもあります。


共通するのは「誰も教えてくれない」という問題

ここまで挙げた3つの制度には、
共通点があります。

それは――
自分から調べない限り、誰も教えてくれない
ということです。

  • 会社は最小限の説明しかしない
  • 役所は聞かれたことしか答えない
  • ネット情報は断片的

結果として、

なんとなく不安だから
なんとなく避けておこう

という判断が積み重なっていきます。


65歳以降の働き方は「制度込み」で考える

65歳から働くというのは、
単なる「収入の話」ではありません。

  • 年金
  • 保険
  • 働き方

これらが同時に絡むフェーズです。

だからこそ、

  • 働くか/働かないか
    ではなく
  • どう働くか
  • 制度とどう付き合うか

を一緒に考える必要があります。


おわりに

65歳を過ぎて働く人が損をするのは、
努力が足りないからでも、判断が間違っているからでもありません。

制度が複雑で、説明されないまま使わされている
それだけの話です。

知っているか、知らないか。
それだけで、
同じ働き方でも結果が変わってしまう。

年金と仕事を両立させるなら、
まずは「制度を敵にしない」ことから始めてみてください。