離婚には、夫婦間の話し合いによって離婚成立させる「協議離婚」とそれ以外の離婚があります。
それ以外の離婚には「調停離婚」「審判離婚」「和解離婚」「裁判離婚」があります。
ここでは、以上のうち日本の離婚の9割を占める「協議離婚」についてまとめてみました。
当サイトでは、公正証書作成と年金分割についてサポートしております。

協議離婚の進め方

協議離婚の進め方は一般的には以下のとおりとなります

夫婦の話し合い
話し合いの中で離婚そのものに合意
離婚の条件について話し合い
離婚の各条件について合意していきます(①親権 ②養育費 ③財産分与 ④慰謝料など)
公正証書作成
条件に関する各種合意事項を公正証書にしていきます。それも「強制執行認諾文書付公正証書」にしておきます。
(もちろん公正証書にせず離婚協議書という私文書でもよいのですが、公正証書にすることをオススメしております)
協議離婚成立
離婚届を市区町村に提出します

離婚で合意すべき事項

離婚で合意すべき事項は以下のことがらが考えられます

①子どもの親権
②養育費
③夫婦の財産分与
④慰謝料

子どもの親権

親権には、身上監護権と財産管理権が含まれます。
身上監護権とは、養育と教育の権利のことであり、財産管理権とは、文字通り子どもの財産を管理する権利となります
この監護権と親権(財産管理権、法定代理人)とを分ける考え方もあります。
なお子が小さい場合、母親側に親権が認められるケースが多いのは確かですが、絶対ではありません。

この親権者を決めて離婚届に書く欄がありますので、決めないと、公式に離婚が成立しないことになります

養育費

養育費はあくまで子どものためのお金であり、本来子ども自身に請求権があります。
なので一旦離婚時に親が養育費を放棄したとしても、子どもの請求権が損われることはありません。(ただし、過去分の養育費の請求は難しいです)

養育費の対象としては、

①衣食住などの基本的な経費 ②教育費 ③医療費 ④娯楽費 ⑤お小遣い ⑥交通費などがあげられます

養育費算定表

養育費算定表というものがあり(東京家庭裁判所公式ウェブサイトへリンク)、例えば夫の年収がいくら、妻の年収がいくら、子どもの数がいくらだった場合の養育費の相場は、大体それによって決まっています。
一例をあげるならば、年収450万円の夫に対し、年収150万円の妻が、14歳未満の子1人のための養育費を請求した場合、目安となるのは月額2~6万円です。

【留意点】

・一度決めた養育費の額も、その後状況の変化(病気、失業等)があれば、改めて決定のやり直しを求め認められることはあります
・通常は20歳までの養育費を決めることになります

夫婦の財産分与

夫婦の財産の分与割合の基準は、財産形成に対する寄与度で決まるとなっていますが、実際のところ、裁判所では50:50で判断されることが非常に多くなっています。その時ある財産額が基準になるのではなく、あくまで婚姻後に夫婦で築き上げた財産額が基準となります。(独身時代に形成した財産や、夫婦どちらか一方が相続で得た財産は含まれない等)

共有名義のものはもちろんのこと、「実質的共有名義財産」といわれる、婚姻中に築いた財産のうち、一方の名義や子どもの名義になっているものも含まれます。

【留意点】
・財産分与については、有責配偶者と呼ばれる、いわゆる落ち度のある側(例 不倫をした側など)からの請求も認められており、有責かどうかは関係なく、財産分与を受けることができます
・例えば、生命保険の保険金や退職金なども財産分与のもとになる財産に含まれることがあります。
・例えば、住宅購入にローンを組んでおり、残債があれば、(不動産の価値)-(ローン残債)=対象となる金額 となります。
・財産分与請求権の時効は2年です

慰謝料

慰謝料は、表現を変えれば損害賠償の一種であり、精神的苦痛に対する弁償となります。
よって、すべての離婚について当然に慰謝料が発生するわけではなく、いわゆる落ち度、違法性などがなければ慰謝料は発生しないのが通例です
明確な相場があるわけでもありませんが、200万円前後に落ち着くことはよくあります

公正証書(強制執行認諾文書付公正証書)

離婚合意書を公正証書にする際「債務不履行の場合には強制執行に服する」といった文言を入れておきます。そうしておくことにより、もし不払いなど起きた場合、給料の差し押さえなど強制執行が可能になります。もし離婚合意書が公正証書になっていないただの私文書ですと、その取扱いができず、裁判所に訴えを起こすところから始めなければなりません

【公正証書にすることのメリット】

①上記のように強制執行が容易に
②裁判での証拠力が強い
③相手への心理的プレッシャーになる
④相手が財産などを公開しない場合、裁判所へ「財産開示手続き」などが申請でき、相手方の情報提供を受けることができる

【公正証書作成までの流れ】

①2人で内容について話し合い
②各種資料の用意(たとえば、不動産の登記事項証明書など財産の内容がわかるもの)
③公証役場で作成を依頼
④公証人が作成を行う
⑤公証役場で当事者2名がその内容を確認、費用の支払いなど
 ※原則夫婦2人ともが行く必要。ただし代理人でも可能。その場合夫婦それぞれに代理人が必要であり兼任は不可。

離婚と税金

なお、財産分与については所定の税金が発生します

現金については非課税ですが、不動産については分与する側には「所得税」、分与を受ける側には「不動産取得税」「登録免許税」「固定資産税」がかかります。株については、受ける側は非課税ですが、分与する側には「所得税」がかかります。なお養育費、慰謝料はともに非課税となっています。

戸籍

原則として、結婚して姓を変更した側は元の姓に戻りますが、結婚時の姓を継続してつかうことを選ぶこともできます(その場合、届出が必要)
一方、子どもは結婚時の戸籍に残るため、子どもの姓と戸籍には変更がありません。よって、もし子どもを妻側の姓(旧姓に戻る場合)にしたい場合などは、①子どもの姓を妻と同じ姓に変更、②子どもを妻の戸籍に入れる(妻は新しい戸籍をつくる必要)といった手続きが必要となります

協議離婚におけるサポート内容

協議離婚に関する公正証書の作成代行

○年金の離婚時分割の手続き代行⇒詳しくはこちらのページをご覧ください

○離婚届提出時の証人

を承っております。

料金

種類料金(税込み)備考
協議離婚公正証書作成9万円~印紙代等別途
年金分割のための情報提供請求書の作成・申請代行(添付書類収集含む)3万円~諸経費別途
年金合意分割・3号分割の請求(標準報酬改定請求)手続き代行(添付書類収集含む)3万円~諸経費別途
3号分割の請求(標準報酬改定請求)手続き代行(添付書類収集含む)3万円~諸経費別途
上記協議離婚に関する手続き一式15万円~諸経費別途
詳細はお問い合わせください