【年金】2023年度から老齢基礎年金満額は2通りに

2023年度の年金額は増額改定となる。4月分は5月分とともに6月15日に支払われる。それに伴う通知書の発行も6月上旬となるため、その頃また話題となるかもしれないが、今回の改定では初めて年齢によって改定率が異なる結果となる。67歳以下は前年度比2.2%増、68歳以上は同1.9%増となるためである。

こちらが厚労省のプレスリリースである。そこに詳しいが、
2023年度の改定に用いられる数字は以下のとおり。

・ 物価変動率 :2.5%
・ 名目手取り賃金変動率 :2.8%
・ マクロ経済スライドによるスライド調整率 :▲0.3%
・ 前年度までのマクロ経済スライドの未調整分 :▲0.3%

今回は、賃金>=物価>=0のケースに当たるため、67歳以下は「賃金」に連動、68歳以上は「物価」に連動という結果となる。
そして、そのままであれば、それぞれ2.8%増、2.5%増となるはずだが、さらにこれまでも何回か発動されてきたマクロ経済スライドによる減額調整がある。
このマクロ経済スライドによる調整も2016年に改正があり、過去発動できなかった分もターンオーバーされる(累積)ように変更されており、今回その分(過去2年分)もあわせ減額調整されることになる。

よって、67歳以下であれば、2.8-0.3-0.3=2.2%、68歳以上であれば、2.5-0.3-0.3=1.9%という計算結果となる。
いずれも、年金財政を改善させ、将来世代の年金の給付水準を確保することにつながる施策である。

この結果、老齢基礎年金の満額も2種類の金額となり、

68歳以上 795,000円
67歳以下 792,600円
となる。

なお、67歳以下、68歳以上の定義については、それぞれ2023年度中に67歳以下の年齢になる人=67歳以下、68歳以上の年齢になる人=68歳以上という分け方であるが、この年齢になるは、誕生日基準ではなく誕生日の前日基準である。(要は学校で4/1生まれの人は1つ前の年度に含まれるのと同じ理屈)

ちなみにこの2種類の年金額改定になるまで、2004年年金改革(いわゆる100年安心プラン)から20年近くかかったかというと、
この賃金>物価>0になることが、今回まで全くなかったためである。これまでは、

0>=物価>=賃金 →賃金に連動(2020年度までは物価に連動)
物価>=0>=賃金 →賃金に連動(2020年度までは改定せず)
物価>=賃金>=0 →賃金に連動

以上の特例措置のどれかに当てはまっていたため、2種類の年金額に分かれるきっかけがなかっただけである。