「“貯める力”より“減らさない力”」――40代からの守りのマネー術

はじめに

40代は、お金の悩みが一気に重なる時期です。

  • 住宅ローン
  • 教育費
  • 老後資金
  • 親の介護
  • 自分の健康問題

この年代で資産形成(投資)を始めようとしても、
時間もお金も余裕がない──という声を、私は何度も聞いてきました。

しかし実は、
「貯める」よりも先に
“減らさない”仕組みを作るだけで手取りは必ず増える
という事実をご存じでしょうか。

40代からのマネー戦略の本質は、
“攻め”より“守り” にあります。


第1章 40代の家計は「減少要因」が多すぎる──だから“守り”が重要

40代になると、家計の天井が決まりやすくなります。

  • 給料は急には上がらない
  • 子どもの教育費が増える
  • 住宅ローンが重い
  • 社会保険料は年々上昇
  • 親の医療費・介護費が発生

これらは、
本人の努力ではコントロールできない支出 が多いのが特徴です。

だからこそ、

「支出を減らす」のではなく、「可処分所得を減らさない」ことが最優先

つまり
“使える手取りを最大化すること”=守りのマネー術
を先にすべきです。


第2章 “減らさない力”の中心は「税金」と「社会保険料」

40代の手取りが減る最大の理由は
✔ 税金
✔ 社会保険料
の2つです。


① 社会保険料は「収入の15%以上奪っていく」

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 介護保険料

合計すると、
収入の約15% 前後はここに消えます。

しかも保険料率は上がり続けているため、
放置すると手取りが減る一方です。


② 所得税は“節税ポイント”が少ない

40代は収入が伸びる時期でもありますが、
その分所得税がじわじわ増えていき、
「気づいたら手取りが減っていた」というケースが多い。


✔ 結論

40代は「節約」より「制度利用」で手取りが最も変わる年代
投資よりも、まず制度です。


第3章 “守りのマネー術”①

医療費控除――40代だからこそ見直すべき

40代になると、医療費は確実に増えます。
その一方で、医療費控除はほとんど使われていません。


✔ 医療費10万円基準は誤解

正しくは

所得200万円未満 → 医療費の合計が 総所得の5%超 で控除
所得200万円以上 → 医療費10万円超で控除

病院・薬局・歯科・通院交通費を含めると、
40代なら年間10万円は意外と超えます。


✔ 控除は「還付」だから手取りが増える

  • 所得税の還付
  • 住民税の軽減(翌年度)

控除を使うだけで、
1〜3万円の可処分所得が戻ってくることも多い。


第4章 “守りのマネー術”②

扶養の最適化――税法と社会保険は別ルール

40代になると、配偶者・子ども・親の扶養問題が複雑化します。


✔ 税法上の扶養

  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 配偶者特別控除

これらを最大限使うことで、
住民税・所得税が確実に下がる


✔ 社会保険上の扶養は“収入”基準

  • 年収130万円未満(原則)
  • 任意継続や健保組合は基準が変わる場合あり
  • 非課税かどうかは関係なく、収入ベースで判定

40代で多い例

  • パート収入の増減
  • 配偶者の働き方変更
  • 親が扶養に入るタイミング

ここを誤ると、
年間十数万円の保険料負担が発生する。


第5章 “守りのマネー術”③

社会保険料の対策――40代はここで差がつく

社会保険料は、節約ではなく“制度”で減らすもの。


✔ 狙うのは「標準報酬月額」

  • 昇給したらそのまま保険料も上がる
  • 逆に、
    • 時短
    • 在宅勤務
    • 役割変更
      などで報酬を調整すると 保険料は下がる

標準報酬月額が1等級下がるだけで
年間2〜4万円の節約になる。


✔ 健康保険の給付は“保険料と無関係”

  • 保険料を下げても
  • 受けられる給付(医療・傷病手当金・出産手当金)は変わらない

つまり

40代は“働き方”で社会保険料を最適化するのが最も効果的


第6章 “守りのマネー術”④

生命保険の見直し――40代は“払いすぎ”が多い

40代になると、

  • 医療保険
  • がん保険
  • 収入保障保険
  • 学資保険
    などに入りすぎている人が多い。

✔ 本当に必要なのは“リスクの大きいものだけ”

  • 子どもがいる → 収入保障保険
  • 持病がある → 医療保険
  • 持ち家ローンある → 団信で十分なケース多数

✔ 過剰保険は「毎月の固定費」を圧迫

保険の見直しは、支出の中でも“最も手取り改善効果が大きい”。

40代は、
子どもの年齢・家庭状況・住宅ローンの有無で必要保険が大きく変わる。
見直しだけで年間10万円以上の節約も珍しくありません。


第7章 “守りのマネー術”⑤

「手当」の見逃しをなくす――あなたは“もらい忘れていませんか?”

40代は

  • 家族の変化
  • 介護
  • 教育
    などのイベントが重なるため、
    給付金や手当の抜け漏れが発生しやすい。

よくある“もらい忘れ手当”

  • 医療費控除
  • 住宅ローン控除
  • 児童手当
  • 高額療養費
  • 離職時の「再就職手当」
  • 教育費の補助(奨学金・授業料減免)

制度を知るだけで
数万円〜数十万円が戻るケースが珍しくない。


第8章 40代は「攻め」ではなく「守り」から始める

投資や資産形成も大切ですが、
40代は“守り”が最優先です。

理由はシンプル。

稼ぐより
減らさない方が、手取りは確実に増える

  • 医療費控除
  • 扶養の最適化
  • 社会保険料の対策
  • 生命保険の見直し
  • 手当・給付の漏れ防止

これらはすべて
再現性の高い「手取りアップ」の方法であり、
40代こそ最も効果が出る年代です。


おわりに

40代は、人生の「お金の山場」でもあり、
同時に「守りを固めれば一番変わる年代」でもあります。

あなたが今抱えている不安は、
支出の多さではなく、
制度を使えていないことが原因かもしれません。

“減らさない力”を身につけることが、
40代からの最強のマネー術です。

あなたの手取りは、まだ増やせます。
その方法は「節約」ではなく、制度の理解です。